借地借家問題の解決

借地借家問題の定義と解決方法

 

(1)用語の解説

 

①借地権:土地を借りる権利。建物の所有目的(住居用・事業用)で、土地所有者に土地を賃借している場合や、その土地に地上権の設定を受けている場合で、土地の所有者(貸主)に対する借主の権利をいいます。
②借地借家法:借地借家法とは、土地や建物の貸主と借主の間で定める法律をいいますが、過去に何度も改正が行われて、現在に至っています。
③借地権割合:相続税法上の評価額(地域によって異なる。目安は路線価額の50%~60%程度)


〈借地借家法の歩み〉

明治42年:建物保護法が制定されました。
自分の建物を登記さえしておけば、将来地主(土地所有者)が代替わりしたり底地を売却して新所有者になった場合でも、借地権を主張できる。

大正10年:借地法が制定されました。
借地契約期限が定められました。堅固な建物は60年(※特約:30年以上)非堅固な建物30年(※特約:20年以上)契約満了により借地権は終了する。
昭和16年:借地法の改正がありました。
借地契約が満了する場合に、地主(土地所有者)が契約の更新を拒絶する場合には、「正当事由」なければ拒絶はできない。また、借地権は地上にある建物の朽廃によって消滅することになりました。
昭和41年:借地法の改正がありました。
借地人が、借地権(土地)上の建物の増改築や再建築にあたり、土地所有者の承諾が得られない場合に、裁判所の許可により可能になりました。
平成4年:借地借家法の制定がありました。
この新しい法律に「定期借地権」の制定が加えられました。
本法律により、旧借地法が廃止されました。
※但し、本法律の施行前の契約については、この限りではありません。

 

(解 説)
借地法の制定されたのには、明治以降の戦争の歴史が大きく反映・影響されています。
産業の発展と共に、地方から大都市部へ労働人口が流れて、これらの人達の住居確保の為に借地や貸家が増加しました。また、明治以降に開戦した各戦争により、軍隊増強や物資確保の拡張・需要で、兵隊や工員を増強する国の指針の下、その住居を確保することが重要な条件の一つになり、これを保護するため大正10年に最初の法律が制定されました。(法律で借地人を保護することにより、安心した暮らし向きが保証されるようになりました。)
太平洋戦争後は、高度経済成長により土地の評価が上昇し、これまでとは反対に、地主(土地所有者)の税の負担利用制限が派生して、尚かつ、相続税等の問題により土地の有効利用や処分の大きな壁になってきていました。
平成4年に施行された新法「借地借家法」は、これらの時代の矛盾を回避すべくできた法律です。

 

 

(2)借地契約の問題点

 
1.相 続

①物納(納付税額相当額を現物で納付する) → 物納要件を満たさない貸宅地(賃料相場・評価等)がほとんどです。
②延納(延納の条件は下記の4項目です)
・納税期限までに現金納付が困難であると認められ、正当事由があること
・相続税額が10万円を超えていること
・納税の期限までに延納申請書を提出すること
・担保提供ができること(相続財産や他人名義の不動産でも可能)
※延納は、最長20年ですが年利/2.2%の利息が発生します。

 

2.利用制限

①一団のまとまった土地でも、借地契約が終了した土地と継続中の土地があり、なかなか有効利用できないでいる。
②借地権付の契約継続中の土地上の建物の朽廃化によって、隣地(借地権終了)での新築工事もままならない。
③古アパートの場合に、数戸中1~2軒しか入居していないのに税負担や、補修・維持管理費用の増大で困窮している。


3.借り主側からの主張

①契約更新をしたいが、地主が応じてくれない。
②立ち退きを迫れれているが、転居するにも費用負担(引越費用・敷金等)が大きく、立ち退き条件交渉がうまく行かない。
③仮に、借地権を解除した場合には、地主から既存建物の解体費用や整地費用の負担をいくら要求されるか不安がある。
④年金生活で、今以上の住居費の負担はしんどい。同条件で他に入居できる住居が見つかるものなのか。
⑤借地人の両親が他界したが、自分たちが相続して実家に戻ることはできるのか。また、実家に戻らない場合に借地権は消滅するのか。
⑥建て替えの承諾をもらいたいが、承諾料の交渉などは、誰に相談すれば良いものかわからない。
⑦地代の増額を要求されているが、適正な地代とはいくら?
⑧建物の維持保有費の負担増で、借地権を返上(解除)して別の住居を探したい。
※上記以外でも様々な個別の内容があります。

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